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デンマークつれずれ VOL2

Bo Bedre デンマーク版暮らしと生活
デンマークで今も発行され続けているインテリア雑誌「Bo Bedre」。
家具の買い付けに行ったときにこまめに買いそろえたものが今では約300冊に。
1960年代から1970年代にかけてのデンマーク国内のインテリアの変遷がとてもよくわかります。1965年11月号ではデンマークの家具販売店で同じ椅子の価格がいくらなのかという比較を試みています。面白いでしょ。ヤコブセンのスワンやウェグナーのYチェアなどが販売店でいくらで売られていたのかがわかります。当時のデンマーク国内での家具の流通がどうなっていたかわかりませんが、販売店ごとに販売価格を設定していたようです。
ちなみに一番高いのは今もストロイエにある非常にプレステージの高いイルムスです。
この比較には販売店ごとの割引金額まで載せられています。スワンで比較するとイルムスが正規価格811Krで割引は0。強気です。いちばん割引率の高い販売店では10%引きです。
平均すると3%くらい割り引いていたようです。保障の比較もあり生地だけを補償に対象にするなどと記載されています。

1973年3月号では年契約の別荘の特集をやっています。デンマークでは短い夏の期間サマーハウスを借りて(あるいは所有して)2週間から3週間家族で過ごすことが多いようです。
デンマークには日本のタウンページくらいの厚さのサマーハウスガイドブックがありみんな真剣に今年の夏をどこで過ごすか計画を立てています。内容はピンからキリまでですが設備は充実しています。値段も手ごろな価格のものが多く所有している人も多いと思います。新しくサマーハウスを買ったときに不要な家具を売り必要な家具を買いなおします。
ここで家具のユーズドのリサイクルが発生します。ここで特集されているのは純粋な意味でのサマーハウスではありませんが、非常に住みやすそうです。屋根は片流れで軒があり屋根の上には草が植えられています。平面図と組み立て中の写真を見ると2×4的な壁構造で立てているみたいです。

私が住んでいる兵庫県西宮市には目神山という山があります。目神山の家として住宅を設計されていた石井修さんの作品で地中に埋まっているように見える「回帰草庵」という家をご存知でしょうか?以前確かCMで放送されていたのでご存知の方も多いと思います。
この家は1976年に建築されましたが、その約3年前にこのような家が現実として存在し雑誌に特集されているということは自然とデンマーク人との関係を物語っていると思います。

こちらは1977年のサマーハウス特集です。同じく1階の屋根に雑草が植えられているのですが、子供達も非常に気持ちよさそうです。

石井修さんの作品はこちらから

2009.05.21