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Danish Furniture Quality Control

デンマークからユーズド家具の輸入を初めて今年で9年目になりました。40ftのハイキュービックコンテナで年間2回から3回入荷します。1本のコンテナで約250~300本の家具が入荷し、それらの家具をコンテナから下ろし倉庫に入れ整理して悪いところをチェックします。現地で買い付けるときにもチェックするのですが、ほとんどの場合倉庫内で山積みされた家具の中から選ぶので細かいチェックは現地ではできません。自社の倉庫に入れて、アイテム別に整理してすべての家具をきれいに拭きあげてから本格的にチェックします。

弊社では店頭に展示する家具でも構造的な欠陥(脚のぐらつきや各接合部分の不具合等使用するにあたって危険だと判断したもの)以外よほどの痛みがなければそのまま展示します。
これには理由があって一つにはやはり私の好みの問題でユーズド家具はその経年変化した色合いが美しいと思うからです。最近全てウレタン塗装で仕上げて展示しているデンマーク家具を見かけますが、すべての家具が全く同じ色艶で少し違和感を覚えます。
もう一つの理由として、お客様との会話の中で家具を仕上げていきたいと考えているからです。画像にあるのは弊社で使用しているデンマーク家具のメンテナンスシートです。店頭でお客様に接客する際に、お客様のご要望を一つ一つお聞きしながら修理したい部分を聞き出していきます。そのご要望の一つ一つをメンテナンスシートにわかりやすく記入していきます。修理して店頭展示していれば売れた後は梱包して送るだけですが、弊社の場合はもう一度メンテナンス工房に持ち帰ってメンテナンスシートに基づいて修理を始めます。弊社ではすべてのメンテナンス工程をすべて自社で行っています。弊社の直営店は神戸三宮と京都四条河原町にありますが、どちらの店舗でも同じ販売方法をとっています。

工房でメンテナンスをする場合一番気をつけたいのは金物です。デンマークのこの年代の家具はほとんどすべてマイナスねじが使用されています。ですからねじがダメになっている場合でも同じようなマイナスねじに取り換える必要があります。そのために弊社ではデンマーク製のデッドストックのマイナスねじを可能な限りそろえています。現地に行くたびにコツコツと買い集めたものです。またチェストやデスクの1段目の引き出しには鍵が付いていることが多いのですが、この鍵も壊れると修理のしようがないので取り替えます。この部品も当時のデットストックです。金物はできるだけ当時の物を使いたいのでデンマーク国内で一生懸命集めています。デンマークは日本と同じミリねじが多いので国内のねじでも使えることは使えるのですが見た感じは全く別物です。

弊社で行っているメンテナンスの内容は大体以下の通りです。
1.構造的欠陥に関して
特にお客様の指示がなくても弊社の判断で無料で行います。ホゾの緩み、引出や引戸、開戸の調整等。
2.椅子の張替に関して
ウレタンが劣化している椅子や張地に破損がある場合はお客様のご要望に合わせて張替えます。その場合よほど高い生地以外は生地代、張代全て本体の代金に含んでいます。詳細はスタッフまでお問い合わせください。また張地の状態がよく張替の必要がないと弊社で判断している椅子をお客様のご要望で張替える場合は実費費用をいただきます。
3.脚カットに関して
デンマーク製の椅子はシートハイが日本の椅子に比べて高めです。その場合は有料にて脚カットをさせていただきます。
4.キズ補修に関して
表面についたひっかき傷や輪染の跡などすべて補修可能です。すべてをサンディングして仕上げることも可能です。
5.塗装に関して
キズ補修やサンディングを行うと塗装が剝がれて木部の素地が出てきます。このままでは無塗装の状態なので、クリアオイルやステインで着色したオイルを塗ります。表面保護のためワックスを塗布する場合もあります。ダイニングテーブルや水回りで使う家具に関しては有料でウレタン塗装も可能です。

基本的にはメンテナンス費用は無料です。

有料となるのは主に椅子の張替と脚カット、ウレタン塗装ぐらいですが詳細はスタッフまでお問い合わせください。また最近よく他店で買われた家具の修理の依頼を受けますが弊社で修理できるものは全て修理させていただいておりますのでお気軽にお問い合わせください。やはりユーズド家具はお買い上げ頂いた後もメンテナンスが必要な場合があります。弊社ではお買い上げ頂いた後もほとんどの場合無料にて修理させていただいております。(無料となるのは弊社でお買求め頂いた家具に限ります。それ以外は実費をいただいております)